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私たち人間は直立歩行と大脳皮質が大きくなったおかげで、
体の中の性ホルモン分泌リズムの関係なく、
いつでも発情できるようになりました。

でも、女性をみれば、
人間の意志や理性の力を超えた周期的な性のリズムがあり、
それによって性が支配されていることがわかります。

確かに男と女を比べた場合、
女性は体だけではなく、
情緒的な部分も含めて、
まさしくホルモンのリズムによって波があるみたいです。

一番はっきりしている例が、
月経周期です。

この性リズムは、
女性ホルモンの増減による影響をモロに受けていますね。


ちょっとむずかしい用語も出てきますが、、
代表的名な女性ホルモンとしては、
卵細胞を排卵へと導くエストロゲン(卵胞ホルモン)です。

そして、
卵巣内の黄体を形づくり、
妊娠を持続させるプロゲステロン(黄体ホルモン)があります。

これは、
卵細胞を発育させ、
子宮内の生殖環境をつくるだけでなく、
女性の体をふくよかに女性らしくします。

しかし、
なんといってもこのホルモン作用の大使命は、
脳の視床下部の性欲中枢にはたらき、
女性の性欲を起こさせることでしょう。

ですから、
エストロゲンは「発情ホルモン」の異名も持ちます。

ついでにいえば、
エストロゲンは血中コレステロール濃度を下げます。
だから、
女性に動脈硬化が少ないんです。

また、
食欲中枢を抑えるはたらきもあります。
だから、
お産をすると食欲不振になる女性が結構いたりします。

このように女性の体は、
性のリズムを含めてたくさんのホルモンによって彩られており、
まさしくホルモンの宝庫ともいえます。


男性の場合は、
女性の月経周期のようなホルモンリズムはありませんが、
最近の研究では、
別の意味で男性ホルモンの周期に焦点が当てられるように
なってきました。

それは、
精巣から分泌される男性ホルモンである
テストステロンというホルモンです。

このホルモンは思春期にヒゲを濃くし、
男らしい低い声を出す声帯をつくり、
タンパク合成作用を促進することによって筋肉を発達させます。
スポーツの記録で男性が女性より優位に立つのはこのためです。

また、
怒りっぽくて、
支配欲、攻撃性、性衝動や、
ひとりきりで仕事をしたい気持ちなど、
男性の情緒面にも大きな影響を与えています。

そして、
このテストステロンは、
分泌量をめまぐるしく変動させることでも知られています。

平均して約15分ごとに変わり、
一日のうちでも朝の分泌量が多く、
季節的な増減の周期もあります。

女性にくらべ男性が常に欲情していることが多いのは、
このホルモンの変動が関係しているのかもしれませんね。

また、
やっかいなのは、
分泌量が外界からのさまざまな刺激によって影響され、
血中濃度が激しく増減することです。

男性が女性よりもストレスに弱いのは、
この男性ホルモンの濃度に左右されやすいから
といわれています。

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こうやってみれば、
男性ホルモンリズムは、
女性の月経周期にくらべて、
ある意味で激しくムラッ気があり、
不規則ですね。

月経という月に一度の周期的な生理現象がないため、
男性自身は
その性リズムをちゃんと自覚することができないみたいです。


それからもうひとつ、
男性のホルモン分泌の乱れで、
最近注目を浴びているのが、

「男子更年期症候群」というあまり聞きなれないことば。
その病状は、
無気力、
体重減と食欲不振、
集中力の欠如、
そして、
性欲減退などです。

これに苦しむ男性の血中濃度を調べてみると、
男性ホルモンのテストステロンがかなり低いそうです。

興味深いことに、
このホルモンの補充療法を受けると、
2ヶ月以内に、
病状は目に見えて軽くなるそうす。

やはり、
男性ホルモンの影響から逃れないみたいです。


女性の更年期は、
卵巣の萎縮に伴い、
性ホルモンが性欲中枢をゆさぶることによって起こります。

それから、
閉経という劇的で決定的な変化からも起こります。

ある意味、
女性は生涯を通じて、
ホルモンリズムという自然の声を聴きながら
生きているんですね。

それにくらべると、
男性は老化して初めて、
自分が自然界の一員だったことを思い知らされるんですね。


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